「ターキーX」 〜自然界が作る最強の発ガン性物質〜
こんにちは「かみの」です。
11月7日に『THE X-FILES: I WANT TO BELIEVE(邦題:Xファイル 真実を
求めて)』が公開になります。 かみの、スカリーが好きだったんでTV版は
結構見てましたが、映画版はまだ1本も見ていません。
さて、1960年イギリスで「ターキーX」と呼ばれる事件が発生しました。
それは10万羽もの七面鳥が肝臓ガンで急死してしまうという、鳥インフル
エンザもビックリというもの。未知なる病原菌の仕業か? とまるでXファ
イルのようですが、こちらの事件はすでに解決済みです。
原因は飼料のピーナッツに『アスペルギルス・フラブス』という麹カビが繁
殖して、アフラトキシンBという、猛烈な発ガン物質を産生していたためと
解りました。
現在、その業界では有名な「アフラトキシン」。数種類ある中、アフラトキシ
ンB1がもっとも毒性が強く、あの悪名高き「ダイオキシン」の10倍にもおよ
びます。
またその発癌性は超強力で別名<自然界が作る最強の発ガン性物質>
と呼ばれるほどで、ラット実験ではアフラトキシンB1、1ppbを104週与えると
肝がんを発生、さらに15ppb以上の飼料では68週で肝がんを起こし、かつ
100%発生するというすさまじいもの。
ところで、ppbという解りずらい単位ですが、ちなみに1ppbとは、50メートル
プールに試薬を1g混ぜた程度の超微弱な濃度に相当するもの…
恐ろしや〜 どれほど強力な物質かお解かりいただけるでしょう。
少々、専門的に言及するとアフラトキシンはDNAに直接作用し、細胞変異
修復蛋白質を作る、p53遺伝子を変異させたり、細胞増殖を制御するRAS
蛋白質の遺伝子を変異させる働きがあります。癌細胞は自己細胞が遺伝
子変異により生成、増殖したものです。
つまり、アフラトキシンは肝臓の細胞にとりつくと、その遺伝子情報を書き
換え癌細胞を作り出すという、しろものなんです。
このアフラトキシン (aflatoxin) は、カビ毒(マイコトキシン)の一種で熱帯か
ら亜熱帯地域にかけて生息するアスペルギルス・フラバス
(Aspergillus flavus) や A. parasiticus、A. nomius などのカビにより生成さ
れます。幸いなことに温帯地域である日本には、まだ生息していません。
麹菌など発酵食品が盛んな日本に居ないのは一安心ですが、食糧自給率
40%の日本、熱帯地方からの輸入食品から時々、見つかっています。
厚生労働省による検疫では、アスペルギルス・フラブスが付き易いピーナッ
ツなど熱帯地域からの穀物類にチェック強化されています。いわゆる水際
作戦ですが全量検査ができるわけではないので、国内に持ち込まれている
のが現状です。
近年は蕎麦や米にも検出され問題視されています。
風評被害に加担するのがイヤなので軽く触れますが、近しいところではまだ
未解決の事故米騒動にもタイから輸入米に発生していたそうです。
地球温暖化の影響で魚類や植物、昆虫などに熱帯系原産のものが日本各地
で見られるようになってきました。
当然、細菌の世界も同様で、亜熱帯化しつつある近年、アスペルギルス・フラ
バスが自然発生する可能性も近未来図のひとつかもしれません。
2008.10.30 | Comments(1) | Trackback(0) | 未分類